※この記事は2026年2月時点の最新記事になります。
皆さん、こんにちは。
エース株式会社の川尻です。
前回の【エステサロンの概要書面の書き方】に引き続き、
今回はエステサロンで使用する「エステティックサービス契約書」について解説していきます。
「サービス契約書」については、
「どこまで書けばいいのか自信がない。」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、「概要書面」はしっかり確認したつもりでも、その次に出てくる「サービス契約書」については、とりあえずサインをもらえれば大丈夫だろう、と扱ってしまっているケースも少なくありません。
サロン現場で、
「概要書面との違い、ちゃんと説明できているかな?」
と、ふと立ち止まることはないでしょうか。
新規開業のサロンオーナーさんはもちろん、すでに運営を続けているサロンさんでも、「サービス契約書」については後回しになってしまいがちな部分です。
ですが、「サービス契約書」は、お客様と正式に契約を結ぶための大切な書類です。
書き方や渡し方を間違えてしまうと、あとからトラブルにつながってしまう可能性もあります。
この記事では、エステサロンの現場目線で、「サービス契約書」は
・いつどのタイミングで渡すものなのか?
・何をどう書けば正解なのか?
を、順番に整理していきます。
「これで大丈夫」と思える形で契約書を使えるよう、一緒に確認していきましょう。
この記事の内容
まず押さえておきたい「サービス契約書」のポイント

エステサロンの「サービス契約書」で一番大切なのは、書き方そのものよりも、内容がきちんと揃っていることと、正しい流れで交付できていることです。
どれだけ丁寧に記入されていても、「概要書面」の内容と食い違っていたり、書類を渡す順番を間違えてしまうと、契約として扱いづらい状態になってしまいます。
エステサロンにおける書類の流れは、
② 契約時に「サービス契約書」
この順番が前提になります。
この順番が逆になってしまうと、「きちんと説明を受けていない」「納得しないまま契約した」と受け取られてしまうことがあります。
その結果、後から解約を求められたり、クーリングオフや契約の取り消しを主張されるケースにつながることもあります。
「サービス契約書」は、新しく内容を説明するための書類ではありません。
すでに説明し、納得してもらった内容を、最終的に書面で確認するための書類です。
・金額や回数、期間に間違いがないか?
・正しいタイミングで渡せているか?
この点を押さえておくことが、とても重要になります。
この基本を意識するだけでも、「とりあえずサインをもらう書類」ではなく、「安心して契約を結ぶための書類」として使えるようになります。
では次に、そもそも「サービス契約書」とはどんな書類なのか、その役割を整理していきましょう。
「エステティックサービス契約書」とは?
「エステティックサービス契約書」は、エステサロンでコース契約や回数契約を行う際に、お客様と正式に契約を結ぶための大事な書類になります。
その前に使う「概要書面」は、契約前に内容を整理して伝えるための書類で、イメージとしては見積書に近いものです。
一方で「サービス契約書」は、その内容で契約することを、お互いに確認するための書類になります。
つまり、
契約を成立させるための書類が「サービス契約書」
という関係になります。

エステサロンや美容サロンですべての契約に、この2つの書類が必要になるわけではありません。
「概要書面」と「サービス契約書」が必要になるのは、
契約期間が1か月を超え、かつ契約金額が5万円を超える契約の場合です。
複数回のコース契約や、回数券のような契約は、この条件に当てはまることが多く、
その場合は、契約前に「概要書面」、契約時に「サービス契約書」という流れで書類を用意することが決まりごとになっています。
「サービス契約書」は、あとから内容を変更したり、説明を補足するための書類ではありません。
あくまで、すでに説明した内容を最終確認するための書類です。
「サービス契約書」の役割について、整理できたと思います。
次に、「サービス契約書」をいつ、どのタイミングで渡すのが正しいのかを見ていきましょう。
※「概要書面」「契約書」は、セブンビューティーで販売されています。まだ用意していない方は、下記から購入しておきましょう。
「サービス契約書」を交付するタイミング
ここまで読んでいただければ、「サービス契約書」を渡すタイミングについては、すでにイメージできていると思います。
改めて整理すると、「サービス契約書」は、「概要書面」で内容を説明し、その内容にお客様が納得したあと、契約を結ぶ段階で交付する書類です。
説明の途中で渡したり、「概要書面」と一緒にまとめて渡したりするものではなく、契約の最終確認として使う書類になります。
この順番を意識しておくだけで、契約の流れが分かりやすくなり、余計な行き違いも起きにくくなります。
- 「概要書面」で内容を確認する
- 内容に納得したうえで契約に進む
- 契約時に「サービス契約書」を交付する
では次に、「サービス契約書」に具体的に何を書いていけばいいのか、書き方を項目ごとに見ていきましょう。
「サービス契約書」の書き方【項目別】
ここからは、「サービス契約書」に実際に記入する内容を、項目ごとに確認していきます。
「サービス契約書」の内容は、「概要書面」とほとんど同じになります。
ただし、日付や金額、記入者が変わる部分もあるため、写すだけの感覚で記入してしまうと、思わぬミスにつながることがあります。
では、表面から順番に見ていきましょう。

-
担当者コード・氏名
担当者コードがある場合はコードを記入し、あわせて担当者の氏名を記入します。
担当者コードを使用していない場合は、氏名のみで問題ありません。 -
お客様欄(甲)
お名前や住所などのお客様欄は、お客様本人に記入してもらいます。
顧客コードがある場合は、会員番号などサロンで管理している番号を記入します。 -
入会期間・入会金
入会金を設定している場合は、入会期間と金額を記入します。
入会期間や入会金がない場合は、「なし」「0円」と記入します。 -
役務提供期間
施術内容を説明したあと、コースの有効期間を記入します。
記入漏れが多い項目なので注意しましょう。 -
役務内容(コース内容)
コース名は略さず正式名称で記入します。
施術時間、単価、回数、総時間、金額、合計金額にズレがないかを確認します。 -
関連商品
コースを受けるにあたって必要な商品がある場合はすべて記入します。
商品名、種類、単価、数量、金額を確認し、軽減税率対象商品は8%に「〇や✓」を入れます。 -
お支払い方法およびお支払時期
支払い方法に〇を付け、支払予定日を記入します。
分割払いの場合は、手数料を含めた総支払額を記入します。
※PayPay等の決済は記載がない為、空いているところに「PayPay」と記載し〇。 -
前受金の保全措置について
金融機関と保証委託契約を結んでいる場合のみ記入します。
該当しない場合は「行っていません」に〇をします。 -
サロン情報
サロン名、代表者名、住所、電話番号を記入し、ゴム印または代表者印を押します。 -
最新版の契約書を使用する
「サービス契約書」は最新版を使用します。
現在は2026年2月版が最新版のため、古い書式を使っていないか確認しましょう。 - 通常の使用料相当額
計算式の空欄には、「販売代金の40%」と記入します。
この40%は、エステティック業界の統一自主基準で定められている上限割合になります。
必ず40%でなければならないわけではなく、40%を下回る割合で設定しても問題はありません。
サロンごとに設定している条件がある場合は、その内容に合わせて記入しましょう。
「サービス契約書」裏面の書き方

ここからは、「サービス契約書」の裏面に記載する内容を確認していきます。
裏面には、中途解約や返金に関する項目がまとめられており、あとから確認されることが多い部分でもあります。
まずは、「通常の使用料相当額」について見ていきましょう。
ここまでが、「通常の使用料相当額」の考え方と記入方法になります。
次に、「中途解約があった場合の返金額」がどのように計算されるのかを、順を追って解説していきます。
中途解約の返金計算方法について
ここからは、「サービス契約書」に関連する中途解約時の返金計算について整理していきます。
少しややこしく感じやすい部分ですが、考え方を順番に押さえれば難しくありません。
まずは、「役務提供開始前」と「役務提供開始後」で考え方が変わる点を押さえておきましょう。
契約完了後「役務提供開始前」の中途解約
役務提供が始まる前に中途解約となった場合、解約手数料の上限は2万円までと決められています。
そのため、2万円を超えて請求することはできません。
クーリングオフ期間内であれば、解約理由に関係なく全額返金が必要になります。
クーリングオフ期間を過ぎていても、役務提供開始前であれば、解約手数料を差し引いた未消化分は返金する必要があります。
解約手数料は、2万円またはご契約残額(未消化役務残額)の10%に相当する額のいずれか低い方の額になります。
※クーリングオフ期間は、契約書を受領した日を1日目として8日間になります。
※10日に契約書を交付し、契約した場合17日までクーリングオフ期間内。
「役務提供開始後」の中途解約
役務提供開始後に中途解約があった場合は、次の計算式で精算金額を算出します。
それぞれの項目を順番に見ていきましょう。
❶ 提供された役務の対価
提供された役務の対価は、「1回あたりの役務料金 × 利用回数」で計算します。
例として、
の場合、未利用分は次の金額になります。
未利用分の合計は50,000円となり、これが❶の金額になります。
❷ 関連商品代金
関連商品とは、エステを受けるために購入してもらった商品を指します。
特商法では、次のようなものが関連商品として定められています。
・化粧品、石鹸、浴用剤
・下着類
・ホームケア用の美容器
関連商品は「サービス契約書」への記載が必須となるため、記入漏れがないよう注意が必要です。
中途解約が成立した場合、関連商品は原則として返金と回収をサロン負担で行います。
回収時の送料もサロン負担になります。
ただし、商品が使用済みかどうか、また消耗品か消耗品以外かで扱いが変わります。
例として、
AAA美容液(11,000円)とBBB美顔器(55,000円)を半年利用していた場合を見てみましょう。
AAA美容液は化粧品にあたるため消耗品となり、返金対象外です。
一方、BBB美顔器は消耗品以外の商品となるため、回収と使用料相当額の計算が必要になります。
使用料相当額の算出式は次のとおりです。
※販売代金の40%は、エステティック業界の統一自主基準で定められている上限割合になります。
BBB美顔器の場合、販売代金55,000円の40%は22,000円
使用期間180日、契約期間365日として計算すると、
ここから送料900円を差し引くと、37,372円が❷の金額になります。
❸ 解約手数料
解約手数料は、2万円または未消化役務残額の10%のいずれか低い金額になります。
今回の例では、未消化役務残額50,000円の10%は5,000円となるため、❸は5,000円になります。
返金額の計算例
お支払済総額が155,000円だった場合、
この62,628円が、お客様へ返金する「精算金額」になります。
契約前に確認しておきたい「サービス契約書」のポイント
「サービス契約書」は、ここまでの内容を押さえていれば、特別に難しい書類ではありません。
そのうえで、契約前に次のポイントだけは一度確認しておきましょう。
・書類は渡しているが、内容についてほとんど説明していない。
・「概要書面」と「サービス契約書」で、金額や回数、期間などの内容が一致していない
特に多いのは、説明に集中するあまり「書いたつもり」「説明したつもり」になってしまうケースです。
契約時には、お客様に書面を交付しているか?この内容で契約になることを一言確認しているか?「概要書面」と内容が揃っているか?
この3点を押さえておけば、過度に心配する必要はありません。
まとめ|「サービス契約書」は契約を成立させる最終確認の書類
今回は、エステサロンで使用する「サービス契約書」について、役割や渡すタイミング、書き方、中途解約や返金計算までを整理してきました。
「サービス契約書」は、あとから説明を補足したり、内容を調整するための書類ではありません。
すでに説明した内容をもとに、契約を正式に成立させるための最終確認の書類になります。
そのため、書き方だけでなく、
正しい順番で交付できているか?
契約時にきちんと確認できているか?
この流れを押さえておくことが大切です。
今回の記事を通して、「サービス契約書の使い方」が整理できていれば、実際の契約対応も慌てずに進められます。
必要なときに、また確認しに戻ってこられる記事として、この内容を役立ててもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
▷ エステサロンの概要書面の書き方
次回は、「カウンセリング」とあわせて使われることが多い「サービス免責同意書」について解説していきます。
「カウンセリングシートとは何が違うのか整理しておきたい。」
そんな方は、ぜひ次の記事もあわせて確認してみてください。
それとサロンで使って頂ける【サービス同意書のひな型】をご用意しております。
ここで少し、関連する内容としてご紹介させてください。
契約まわりを整理していく中で、サロン運営が思うようにいっていないと感じたり、これから先の方向性について本格的に考えるタイミングに来ている方も多いと思います。
単価を上げたいと考えていても、今のメニュー内容では自信を持って提案しづらかったり、もう一段階お客様に満足してもらえる結果を出したいと感じる場面もあるのではないでしょうか。
「エース」では、書類や契約の考え方とあわせて、サロンのメニュー価値を高める選択肢として、「プラズマスター」の導入サポートしています。
実際に導入されたサロンでは、こんな変化が出ています。
・新規のお客様が月3〜5名から、毎月安定して10名以上になった。
・客単価が6,000円前後から、倍の13,000円前後に変わった。
無理に売り込んだというより、施術内容の打出し方や価格、集客導線を見直したことで、自然と選ばれるようになったケースです。
概要書面や契約書を見直すタイミングは、施術内容やメニュー構成そのものを整理する良い機会でもありますので、今後のサロンづくりを考えるうえで、一度目を通してみてください。
